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2019年1月19日

Diary193 心のふれあい大賞表彰

 本校2年生の村岡水葵さんが、第5回作文コンクール 心のふれあい大賞-わたしのまわりの医療体験-(主催:公益社団法人福岡県医師会、共催:福岡県、福岡県教育委員会、西日本新聞社)の中高生の部において、見事最優秀賞を受賞しました。

 この日はエルガーラホールにて表彰式が行われました。

 表彰式での様子と、受賞作品を紹介します。どうぞご覧ください。

 

 

表彰式の様子

 



 

受賞作品 「私の目指す未来」八幡中央高校 二年  村岡 水葵

 「私の周りの医療体験」と聞いて、私は自分自身の体験のことを一番に思い出しました。

 私は「もやもや病」という、脳血管の病気を患っています。四年前に発症しました。当時私は中学一年生でした。ひどい頭痛に悩まされていたのですが、父が同じ病気だったため、「もしかしたら」と感じた母が病院へ連れて行ってくれ、病気が判明しました。初めてMRIを撮影、診察室に入ると、先生から「この画像にあるように、ここにあるはずの血管が映っていないでしょう?」と言われました。通常なら血管が続いているであろう場所になぜか一部だけ途切れた血管があり、なぜそうなるのか理解できないながらも納得はしました。しかし、その途切れた血管の画像よりも、私の目に焼き付いたのは、一緒に説明を聞いていた、苦しそうな、悲しそうな父の顔でした。

 その後、入院をして精密検査。詳しい検査の結果すぐ手術は必要ないとの判断でした。しかし、一年後、頭痛の頻度が上がったため、K病院に転院しました。そこで私に病気の進行が告げられました。問題はない、すぐに手術の必要はない、と言われたのに病気が進行していて、手術をすることになったのです。脳左側の血管でした。

 初めての手術の説明は「リスク」でした。「もしかしたら」の話は私にとっては衝撃的なものばかりでしたが、この頭痛が少しでも軽くなるのなら、と契約書にサインしました。不安でした。その時、一人の看護師さんがふと思い出したように私に

「好きな歌はなに?」

と聞いてきました。なんだろう、と思いながらも私は好きな声優アーティストの話をしました。

 手術当日。病棟の看護師さんたちに見送られ、私は手術室に入りました。すると緊張していた私の耳に好きな声優アーティストの音楽が聞こえてきました。驚く私に、

「水葵ちゃんの話聞いてたからCDかけておいたよ。」

とにっこり笑いながら教えてくれる看護師さんがいました。私は音楽を聴きながらリラックスして手術に臨むことができました。

 目が覚めるとICU(集中治療室)でした。周りにいる看護師さんが外にいる家族を呼びに行ってくれ、両親と面会しました。目に涙をためた父と、ほっとした表情の母がいました。「よく頑張ったね、よく頑張ったね。」と言ってくれました。

 それから一年たち、私は二度目の手術をすることになりました。その時私は高校受験の直後、合格発表を待つばかりという時期でした。術後のICUで一晩過ごした私に、母が合格通知を持ってきてくれました。一緒にいた看護師さんたちが笑顔で「おめでとう!」と声をかけてくれました。一般病棟に移ってからは担当の看護師さんや主治医の先生が自分の家族のことのように喜んでくれました。そこから私は、春休み期間を高校への入学準備と術後の体調管理に費やしました。

 今、私は高校二年生になり、卒業後の進路を考える機会が増えてきました。将来について考えることができる幸せをかみしめています。そして私は、自分の進路決定にこの二度の手術のことを避けて通るわけにはいかないという気がしています。

 一度手術をして完治する病気や怪我もあれば、その症状と一生つき合い、何度もつらい治療や手術を重ねなければならないものもあります。私も二度、手術をしましたが、まだ頭痛はあります。学校を欠席してしまうような体調不良もあります。長く病気とつき合う時、患者さんはもちろん、家族も病院という場で「暮らし」を経験することになります。病気や怪我以外の「生活」が病室や検査室で営まれるのです。私が高校の合格発表をICUで聞いたように。それを経験している私には、手術や治療を控えた患者さんやご家族の不安を取り除く手助けができるのではないかと思っています。私を担当してくださった先生や看護師さんのように患者さんをしっかりとサポートし、気持ちを和らげ、寄り添っていくことができるような看護師になりたいと思います。それが私の目指す未来です。 


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