福岡県立八幡中央高等学校
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2020年6月1日

Diary246 創立記念日

6月1日は本校の創立記念日です。

 

今回のダイアリーでは、本日の創立記念にあたり、校長から全校生徒に向けて行われた講話をご紹介します。

 

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創立記念日にあたって

 

 皆さん、おはようございます。校長の浦野といいます。

 私はこの4月に前校長の大村校長の後任として、苅田町にある苅田工業高校から、この八幡中央高校に赴任しました。専門は理科・生物です。よろしくお願いします。

 本来なら今日から本格的に学校再開となる予定でしたが、北九州市の新型コロナウィルス感染者の増加で、本格的な学校再開とはなりませんでした。明日以降の事については、後程先生方から連絡しますのでその指示に従ってください。また、今回は皆さんの顔を見ながら話ができると思っていたのですが、放送での話ということで大変残念です。スピーカーの向こう側にいる君たちの顔を想像しながら話しますのでしっかり聞いてください。

 さて、皆さんは、3カ月の間学校から離れ、現在もなお、通常の生活に戻っていませんので生活リズムを維持するのに本当に大変だと思います。一日も早く生活のリズムを取り戻したいところですが、まずは自分とそして友達の命を守ることが第一です。マスクの着用や手洗い、大声を出さないなど、自分に対してもそして周囲に対しても責任と思いやりのある行動を皆さんに期待します。

 ところで、今日は本校の開校記念の日です。本校は、大正6年(1917年)6月1日八幡町立実科高等女学校として開校しました。当時この八幡の地は、遠賀郡八幡村と呼ばれ、漁業と農業を営むわずかばかりの家が点在する寂しい村でしたが、1901年に官営八幡製鉄所が操業を始め、その関連企業も周りにでき始めると一気に人口が膨れ上がりました。そのような状況の中で女子教育の必要性が叫ばれ始め、その先駆けとなるべく、本校が開校したのです。その後、県立八幡高等女学校、県立八幡女子高等学校と名前を変えながら、昭和24年には男女共学の八幡中央高等学校となり、昭和26年には定時制課程を併置して、創立以来104年の歴史を刻んできたまさに伝統校です。伝統とは、時代を超えて受け継がれるべき価値観の事を言うのですが、八幡中央高校の伝統とは何かと聞かれたとき、残念ながら本校に勤務してまだ、2カ月の私には、その伝統が何なのかわかりません。伝統が何なのかはわからないのですが、先日、君たちに「ああ、こういう生徒であってほしいな。」と思うことがありました。それは、この中央高校の創立70周年の時に発行された写真集を見ていた時の事です。ページをめくっているときに一枚の写真が目に留まりました。それは、昭和20年8月15日に太平洋戦争が終戦を迎え、その直後、8月の炎天下の中で、焼け野原となったこの八幡の町の片付け作業を行う県立八幡高女の生徒たちの写真でした。つまり、君たちの先輩たちの写真です。君たちの中にはその先輩方の孫やひ孫にあたる人がいるかもしれません。戦争中この八幡地区は3度の空襲を受け、3,000名近くの方々が亡くなり、町全体が壊滅的な状況になりました。そのような状況の中で片付けをする生徒たちの表情もさぞかし打ちひしがれた暗いものだろうと思ったのですが、その写真に写っている女生徒たちの表情はとても明るく、笑顔でガレキの片付けをしているのです。私はしばらくその写真をみつめながら、「ああ、この子たちの目は未来を見ているのだ」と思いました。多くの人々が亡くなり、自分たちの住む町が焼け野原になり、壊滅した街のガレキを明るい表情で片付ける生徒たち、その眼は未来を見つめている。

 この中央高校の伝統が何なのかはわかりませんが、君たちの先輩がそうであったように私は君たちにこういう生徒であってほしいと思っています。その時はどんなにつらく厳しい状況であっても、常に未来を見つめ、希望に満ち、よりよく生きること、幸せになることを諦めない生徒であってほしいと。人はよく「歴史と伝統の重み」とか「昔は良かった」とかいう話をします。もちろんそういうことを真摯に受け止め、受け継ぐべきものは受け継いでいくことは大切です。しかし、忘れてはならないのは、実際に今この学校で生活しているのは我々であるということ、そして最も輝いていなければならないのは過去ではなく、現在でなければならないということです。

 

 話は変わりますが、先日、会議で、「先生方はどんな生徒を育てたいですか?」と聞いてみました。つまり、先生方に君たちにどんな生徒になってもらいたいかということを聞いたわけです。先生方からは、いろんな意見が出ました。それをまとめてみるとこのようになりました。先生方が君たちに望むものそれは、「学校と自分に誇りを持ち、主体性と継続性があり、何事も諦めずに取り組み、創造性に富んだ誰からも愛される生徒」ということでした。そして先生方みんなでそういう生徒を育てるために頑張りましょうと決意を新たにしました。是非、君たちも今一度、自分を見つめ直し、本当になりたい自分、理想とする自分を思い描き、今の生活を見直してみてください。我々は、他人と過去は変えられませんが、自分と未来は変えられます。

 今、世の中はピンチを迎えています。本校でも様々な行事を見直し、休校となった2カ月の空白を埋めていく必要があります。特に3年生は進路のことで多くの人が不安に思っていることだと思います。しかし、ピンチはチャンス、八幡中央高校はこのピンチを本校が大きく飛躍する最大のチャンスだととらえます。是非、皆が一丸となって、どんな時もできない理由をさがすのではなく、できる方法を必ず見つけるという常に前向きな集団、今、輝くことのできる集団をみんなで作っていきましょう。みんなで頑張りましょう。 


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